あの日ーーー
忘れもしない、あの、あったかい凛人の腕の中。
あたしは、救われた。
「だからいーじゃん♪ね?」
「………」
丁度、お昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴った。
「じゃ、授業始まるから、行くね」
そう言って立ち上がりかけると、腕を引っ張られた。
そしてそのまま、凛人はあたしを後ろから抱きしめる様にしてあたしを座らせた。
あたしの首筋に顔をうずめる凛人。
吐息がかかってくすぐったい。
「凛人……?」
「あー眠い」
「えっ」
そう言って、早くも寝息を立て始める。
あれ、これ前と同じシチュエーションじゃん………。
そういえば一時期、あたしを屋上に連れてきて、何かと思ったら、よく膝枕にして寝てたっけ。
その時も、今みたく「あー眠い」って言ってたっけな……
……って!
思い出に浸ってる場合じゃなくて!
あたしはずっと気になっていた事を、もう寝てるかも、と半分諦めながら言ってみる。
「凛人、ちゃんと家で寝てる?」
「………」
…やっぱり寝てますよね。
はい、寝てる人に話しかけたあたしがバカでした。



