「昨日、大丈夫だったの?用事、間に合った?」
あたしがそう言った瞬間、凛人の表情が固まった。
でもすぐに笑って「ギリギリセーフだった」と言った。
あたしは「そっか」とだけ返して、あとは触れないでいた。
暑かった夏も、そろそろ終わりを告げようとする季節になった。
「千尋、凛人のプレゼント決まったの?」
愛ちゃんがニヤニヤしながらあたしに聞いてきた。
「うん…」
あたしは少し小さくなって答えた。
すると愛ちゃんはあたしを肘でつつきながらなおもニヤニヤしながら聞いてくる。
「なににしたのー?」
「………て、手編みのマフラー」
もうすぐ秋になって肌寒くなる季節がくるから、少しでも暖かくなる様にって、徹夜しながら作っている。
最初は、手編みのマフラーなんてベタかなって思ったけど、それ以外に思いつかず。
昔から、あたしか唯一できる事が編み物だったから、やっぱりマフラーにしようと決めた。
「手編みのマフラー、ねぇ♪可愛いーっ」
「うあっ」
愛ちゃんがいきなり抱きついてきた。
「凛人、絶対喜ぶよ!」
「そう、かな?」
「うん!絶対」
あたしは、なんとか凛人の誕生日の1週間前にマフラーを作り終えた。



