玄関に行くと、愛ちゃんは待っててくれてた。
あたしを見つけると「もう!遅い!」と笑って言う。
「ごめんね」
あたしがとっさに謝ると
「いいよ!謝んなくて」
と笑った。
帰り道。
愛ちゃんがあたしに聞いてきた。
「凛人、来たでしょ?」
「へっ?」
なんで知ってるの?
愛ちゃんが言う。
「千尋が女子に呼び出された時に、絶対なんかされるなって思ったの。きっと凛人の事じゃないかって思ったから、凛人に行ってもらったの」
そうだったの?
「で、凛人が行ってなんか言えば女子も逃げてくだろうと思ったし。それに…」
そこまで言ってから、愛ちゃんは言うのをやめる。
「どうしたの?」
不思議に思ってあたしが尋ねる。
愛ちゃんは小さな声でこう言った。
「凛人、前から千尋の事気になってたらしいし♪」
「えーっ」
思わずあたしは叫んでしまった。



