「凛人はモテるから、それに嫉妬する子もたくさんいる。でもどんな事されても、あたしは凛人が好き。だから謝らないで?」
お願い、謝らないで…。
あたしがそう言ったあと、しばらく沈黙が続いた。
やがて凛人が口を開いた。
「……千尋、強くなったな」
「えっ…」
「出会った頃の千尋は、こんな事言わなかっただろ。お前、よく泣いたし」
「……」
最後の一言余計!
「…千尋は、前より確実に、強くなった」
顔を見なくても、凛人が微笑んでいるのがわかった。
……あたし、それが聞きたかったの。
凛人に、強くなったなって、言って欲しかったんだよ。
だって強くなる事は、あたしが望んでた事だから……。
凛人のために、強くなる。
…あたしは、強くなれたのかな。
………信じても、いいかな?
「今からお前の家行っていいか?」
「え…」
まだまだ暑い日が続いている中、今日も凛人と下校中。
そして急にそう言われた。
そういえば、まだ1度も凛人は家に来た事なかったな…。
「…いいよ」
「んじゃ決まり」
そう笑うと、あたしの手を引いてあたしよりも前を歩いた。
あの……あたしの家なんだけどな。



