「うん…確かにそうかも」
凛人は最近、あたしと玄関まで行ったものの「急用が入った。ごめん、先帰るわ」と言い、あたしはその背中を見る事が多くなっていた。
急用だから止める事はできず、あたしはいつもその遠ざかっていく凛人をぼーっと見ていた。
確かにそうなんだけど…。
なんで佐奈ちゃんが知ってるの?
いとこだから?
あたしは佐奈ちゃんに「よく知ってるね」と言うと、佐奈ちゃんは「はい」と言う。
「昔からの付き合いで、わかるんです」
「……?」
昔からの付き合い…?
いや、この言葉自体の意味は理解できる。
いとこだから、昔からの顔なじみだから。
それはわかるんだけど………
……どうして昔からの付き合いで、凛人が先に帰る理由がわかるの?
なんで?
どうして?
佐奈ちゃんはそう言ったあと、はっと目を見開いてから、手で口を覆った。
「あ、あの……」
覆った口から微かに聞こえた。
……これは、なんかある。
絶対に、なんかある。
そう確信したあたしは、佐奈ちゃんに尋ねる。