怖かった……
女子って、あんなに変わっちゃうんだ。
するといきなり市原君があたしを抱きしめる。
「えっ、市原君?」
びっくりするのと同時に、顔が赤くなっていくのが自分でもわかる。
「…ごめん」
市原君がなぜかわたしに謝る。
「ど、どうして謝るんですか?」
抱きしめられたまま、あたしが尋ねる。
「もっと早く来ればよかった。ごめんな」
市原君からの思いがけない言葉。
「助けてもらえただけで十分です。ありがとうございます」
市原君があたしを離す。
そして真剣な顔つきになって言った。
「俺が千尋を守る」
またしても思いがけない言葉。
意味はよくわからないけど、お礼は言わなきゃ。
「あ…ありがとうございます」



