ねぇあたし、強くなれた?
ちゃんと、伝えたよ。
小心者なんかじゃ、ないでしょ?
「…うん。俺、間違ってたわ」
「え?」
「さっき凛人と話してて気づいた。伝えなきゃ、な?」
また凛人がびっくりした表情をする。
「俺は、千尋に対する気持ちが足りなかったんだって、わかった。千尋も俺の気持ち知らなくて、当然だよな。でも、千尋の気持ちは俺に伝わってたよ」
涼介が笑う。
「俺、千尋と凛人を応援する」
そしてまた笑った。
よかった、わかってくれて。
「おい、凛人」
「あ?」
「千尋、泣かせんなよ?1人にすんなよ?」
「わかってる。お前に忠告されるほどバカじゃねぇし」
「なっ…!」
よかった!
2人仲良くなった!
あたしは思わず笑みをこぼす。
「ほら」
ちゅっ。
「⁈⁈⁈」
凛人はあたしのほっぺたに軽くキスした。
顔真っ赤だよね、絶対!
「あははっ、千尋、顔真っ赤ーっ」
「うっ、うるさいっ」
「照れてるー」
「あぁぁぁぁぁぁーーーっ!」
意地悪なとこは凛人と一緒で、中学のあの時から変わってないんだね……。
「もしも千尋1人にしたら、すぐにこの俺がさらってくかんなー」
「そんな事は一生ねぇよー」
なんだかんだで、いいコンビじゃない?



