ー「互いに好きとかは言ってなかった。でも、千尋見てると俺の事好きなんだなってわかって…。俺も千尋の事好きだったんだよ!でも伝えられないまま転校になって」
ー「……」
ー「だから、この学校に転校が決まった時は、ちゃんと自分の気持ち伝えるつもりだった。千尋も同じ気持ちのままだと思ったから」
ー「………」
ー「だから、本当なら千尋は、俺と付き合ってるはずだったんだ!お前は、千尋を俺から奪ったんだよ!」
涼介…あの時、あたしの事好きだったの?
嘘だ。
あたしだけと思ってた。
涼介は、あたしの事好きじゃないって思ってた。
信じられない。
…でも、今のあたしは、
涼介の事好きじゃない。
今のあたしは、凛人が好きなんだ。
ー「…あのなぁ」
凛人が呆れ加減で話し出す。
ー「伝えないと、意味ねぇんだよ」
ー「…?」
ー「人は必ずしも以心伝心できるわけじゃねぇんだよ。お前がその時千尋に伝えてたら、今俺と千尋は付き合ってなかったんじゃねぇの?」
伝える…?
ー「俺は、千尋の事本気で好きになった。だから、すぐに伝えた。最初は何度も断られたけど、伝え続ければ伝わるってわかった」
凛人…
ー「お前さ、本気で千尋の事好きじゃなかったんじゃねーの?好きんなったやつにはすぐに伝えるんだよ」
ー「……」
ー「ま、千尋は小心者だったから伝える勇気がないのはわかるけど」
ぐさっ。
うん、そうだね凛人……



