365日。






「…あ、いた。よかった。いないのに言ったらただのアホだしな」


涼介はあたしに笑いかける。



その笑顔はたぶんあたしに向けられたものなのに、周りの女子はきゃーきゃー言っている。




あたしに、なにがあるの?

何もないじゃん。



あたし達、"ただの幼馴染"じゃん………









「俺、ずっと千尋好きだった。……こんな俺だけど、付き合ってくれないかな?」



その言葉の後、あたしに襲いかかるのは、女子からの痛すぎる視線の数々。




な、なに言ってるの?


人前だよ?

フツーに先生いるし、皆いるし、凛人だっているし…。




あたしは確かに涼介を好きだったけど、それはあくまで"過去の話"であって、今じゃない。


今好きと言われても、あたしには凛人がいる。



今あたしが好きなのは、凛人だから。