そんなあたしに困った様に、お医者さんは唇を噛んで下を向いてしまった。 あたしはお母さんのところに戻って、また手を握る。 さっきより、握り返す力が弱い。 気のせいだよね…? どんどん弱くなっていくお母さんの力。 「…ち……ひろ、ご……めん………ね」 掠れた声で言う。 なんで…謝るの? あたしは握る力を強める。