ガサガサ…………………………ドン!!

「いてて……何だよくそ。」

ある晩、俺は法力で作った蔓の葉から落下した。

「ん!……………あ~ダメだ、今日は力使いすぎた。」

力は無限でなく、使い過ぎるとエンストする。まだその配分がわからず、時折夜に終わりがくる。

「暗いな~月が出てないのか。」

空を見ながら頭をポリポリとかく。そうすると、目に何かがよぎった。

「あれは…ロズ?」

切り立った崖の手前でうずくまってる。

「何してんだあいつは…あ!そうだ驚かしてやろ、へへへ。」

今俺が落ちた所から少し下りた所にロズの小屋がある。最初にロズと会ったあの場所に法力で小屋を造ったんだ。広さはそこまでだか、ここで2人で飯を食べて、ロズは寝ている。俺はその小屋のある崖から少し森に戻った所の、木と木の間にハンモックを作って寝ている。ロズにはさっきの俺が落ちた音は聞こえなかったみたいだ。

よ~し後ろまで来た、気付いてない。いくぞせ~の!

ロズは気配に気付いたようで、とっさに後ろを振り返った。

泣いてる。

「ど、どうしたんだよロズ。」

「え、あ、ん~いや別に…。」

慌てた様子で涙をふく、俺もビックリして、何て声かければ良いのか悩んでいる。ロズが泣くなんて意外過ぎる。会って2週間だが、弱音なんて聞いた事ないし、いつも俺の事を励ましてくれてた人だ。俺は何だかイライラしてきた。きっと誰かが、何かがロズを傷つけたんだ!

「どうしたんだよ。何かされたのか?」

ロズは少し間を空けてクスッと笑いながら言った。

「バカね~何されたかって、ここには私達しかいないじゃないのよ。」

「じゃ何で泣いてんだよ!」

ロズはクルッと回りまた下の村を見ながら少しずつ話出した。