「ろ、67点?! 俺的にはヨユーで80点越えだと思ったんだけどなぁ……」

「甘ァ~いっ」


ホントは80点越えてる、ってあたしも思うよ。

けど、北条くんは成長株だから、今後のさらなる成長に期待して、ってことで、あえてカライ評価をしたんだよ。


「チェッ、まぁ、いいや。それならそれで、今以上にがんばりゃいいだけのこった。今に見てろ。次こそ、もっといい点数をつけてもらうから、次の試合もゼッタイに応援に来いよな。俺のカッコよさで、南野をメロメロにさせてやんだから、覚悟しとけよォ」


“あたしをメロメロにさせる、って……ソレって、自分に惚れさせようとしてるってコト?!”


「点数のカライ南野にいい点数をもらうのはたやすいことじゃねぇとは思うけど、相手が手強けりゃ手強いほど、俄然ヤル気が出るってもんだ。80点越えなんてケチなことは言わねぇ。こーなりゃ、意地でも100点満点とってやらぁ」


北条くんが、どーいうつもりで、こんな発言をしてるのか、あたしには分からない。

そして分からないまま、ほどなく夏期講習の最初の時間がはじまった―――――