「俺がさぁ、バスケばっかやってて、勉強なんか全然しねぇもんだから、親が俺の将来を悲観しちまいやがってな。そんでココの夏期講習に申し込みやがった、ってワケさ」


「そ、そ、そ、そーだったんだ……」


「俺さぁ、せっかく学校が休みなのに、なんで勉強なんかしなくちゃいけねぇんだ、ってさんざん文句言ったんだけどさ、親子ゲンカになったあげく、しまいにゃ、おふくろ泣き出すもんだから、俺もしかたなくココに来たんだがよぅ、ぶっちゃけ全然ヤル気なんかねぇし……」


“オイオイ、せっかくお金出してもらったのに、全然ヤル気ないなんて言葉聞いたら、また親が泣くよ”


「どーせ他の学校の知らねぇヤツらばっかの中に放り込まれるんだろうと思ってたんだけどさ、部屋ン中に入ってゆっくり見回してみたら、なんと南野がいるじゃんか!? “地獄に仏”ってのは、まさにこーいうことを言うんだろ?」


「ちょっとちがう気がするけど……」


「でもな、俺、知ってるヤツが誰もいなかったら、どーしようかと思ってたし、お前がいてくれてマジ嬉しい♪ ホント、マジで♪」


「そっか……そーだったんだ……」