遊びたい盛りに遊びたい気持ちをグッとこらえ、異性にたいする悶々とした思いを押し殺して生きてきたニンゲンが、ちゃんとしたオトナになれるのかな?


あたしは虫の生態にはそれほど詳しくない。

けど“遊んでるアリ”なんて見たこともなければ聞いたこともない。

つまり、アリは年がら年じゅう死ぬまでずっと働きっぱなし。今がんばっとけば、あとになってラクになるなんてことはありえない、っていうことだ。



もしかして……、



コレは他人事じゃないのかもしれないという不安が、あたしの頭をよぎった。


コドモの頃、めいっぱい遊んだ記憶もなければ、男女交際をした記憶もない。

勉強して、イイ学校に行って、イイ会社に入れば、そのあといくらだって恋なんてできるって思ってるけど、ホントにそうなのかな?

まさかオトナになったあたしが、男のヒトに痴漢するとは思わないけど……。

でも、やりたいときにやりたいことをやらないままオトナになったニンゲンが、まともなオトナになれるのかなと思う―――――