「北条……くん……」


こーいう展開は予想していなかった。


入院した彼のことをココロのどこかで、ぶっちゃけ……、

“ザマァ見ろ♪ あたしをフッたバチが当たったんだ♪”

……って、そーいうふうに思ってた。


そんな自分に少なからず罪悪感を感じた。


「引き止めて悪かったな。急がないと塾に遅れるんじゃね?」

「う、うん……」

「言いたいことは全部言ったし、もう帰っていいぜ」

「………」

「今まで二ヶ月間休んだぶん、一生懸命勉強して、遅れたぶんを取り戻すんだろ?」

「うん……」

「じゃあな……」

「じゃあ…ね……」


あたしは未練を残しながらも、時間に追われるように夕暮れの病室を後にした――――