「えみかー!!帰るぞー!!」

「えっ!?海斗!?ちょっと待ってよー!!」

結局私はあの後も授業を
全部寝てすごした。

それで放課後は
いつものように夢未と話しながら
教室から海斗の部活が
終わるのを見ていた。

海斗と奏はサッカー部に
所属している。

2人ともかなりうまいから
1年からレギュラーだそうだ。

「ねーね、海斗ー。」

「ん??」

「いよいよあの二人もカップルだねー。」

「あーそうだなー。」

「お似合いだしーやっとって感じだよね!!」

「ほんと、やっとだね。」

「海斗はさー好きな人いるのー??」

自分の口から出た言葉なのに
自分が一番びっくりした。

「好きな人ー??んー、いるかな。」

ズキッ

「…そう…なんだ…。」

なんでかわからないけど
海斗から好きな人がいるって聞いた瞬間
私は胸がギュウと締め付けられた。


いったいこれは
なんなのだろうか。

そのあと海斗と
なにを話したかは覚えていない。

ただ、私の
心の中はずっともやもやしていて
家に帰ってそのもやもやを消すかのように
布団にくるまった。