あの日から1ヶ月がたとうとしていた。
今でも海斗の姿を見るだけで辛くなる。
でも、慣れっていうのは怖いもので
その辛さから涙を流すことは
無くなっていた。
いつも通り夢未と登校する。
席について夢未と
昨日みた夢の話をするのが最近のブーム。
「…でねぇ!!…」
こうやって夢未と話してると
気が紛れる。
海斗のことを
考えなくてすむ。
ーーブーブーーー
「あ、夢未!!ちょっとごめん!!」
制服のポケットの中に入っている
ケータイが振動している。
穂乃華かなぁ…。
穂乃華とは中学のときの友達だ。
このまえ、偶然再会して
そのときにアドレスを交換した。
そこからたまに
メールのやり取りをしている。
穂乃華だと思っていたのに
送信者は予想外の人だった。
「笑香?どーした?あ!また穂乃華?」
「ううん…。」
そういって私は夢未にディスプレイを
見せる。
「…奏じゃん!!めずらしー!!」
そう、送信者は奏だった。
奏はかなりのめんどくさがりだから
メールとかはしてくる人じゃない。
いつも電話だから
メールがきたことに驚いた。
「で、奏なんだってー?」
「今日の放課後に駅前のファミレスきてーだってー」
りょーかい!!
送信っと…
「え?今日!?今日都合悪いんだけど…」
「そうなの!?んー…じゃあ私ひとりで行くよ!!」
「ごめんっ!!」
そう謝った夢未は
あっ授業はじまっちゃう!!とか騒ぎながら
自分の席へ戻っていった。

