「笑香っ!!」


俺は間一髪で
笑香の腕をつかむことが出来た。


「…海斗…。離して…。」

「嫌だ。」

「離してよっ!!」

そういって笑香は暴れだした。

「嫌なもんは嫌なんだよー!!」

おれはそう言いながら
一気に笑香を引き上げた。

「…どぉしてっ…どぉしておばぁちゃんのところにいかせてくれないのよぉ!!」

そういって笑香は泣きながら
俺の胸をたたき始めた。


笑香は小さいころから
おばあちゃんっこだったから
おばあちゃんをなくしたことで
相当病んでいるとは思ったけれど、
ここまでだとは思わなかった。


「ねぇ…海斗…。逝かせて…おばぁちゃんに会いたいの…。お願い…。」

「いかせない。お前は絶対死なせない。」

そういって俺は笑香を強く抱きしめた。

「…どうしてよ…どうし…」

「おいっ!!笑香っ!!笑香っ!!」

言葉を言い終わらないうちに
笑香はいきなり意識を失った。