「…笑香っ。またこんなとこにいるのかよ。」
「…うん。」
笑香はあの日と同じように
屋上の端に立っていた。
「…笑香っ?あぶねーから。ほら、帰るぞ。」
「…海斗…先に帰っていいよ…。」
「お前は?一緒に帰ろーぜ。」
「私は…帰らない。」
「え?」
そう言って振り向いた笑香の顔は
涙でぐしゃぐしゃになっていた。
「…笑香…!?何…言ってんだ…!?」
「私は…おばぁちゃんのところに行く…。海斗…今までありがとうね…。」
「おい!笑香!!何言ってんだ…」
俺がそういい終わる前に
君は地面から足をはなした…。

