いじわるで優しくて、大キライ

何時間していたのだろう。

気付いたら、夜の8時。

腹減ったな。

だれも訪ねて来たことがない、我が家へ今夜二人目の訪ね人がやってきていた。

ピンポン。と、チャイムがなる。

悠のマンションはオートロックになっていて、玄関入り口でモニター確認をするタイプ。

「だれ??」

鈴音かモニターを、確認していた。

悠はいいよ、出なくて。そう言って、冷蔵庫の中から缶ビールを取り出してひとくち、ゴクリと飲む。

「なんか、女の人だよ」

鈴音は悠の顔を睨む。

やっぱりね。という、顔つきだ。

悠はここに引越してきていることを、誰にも話してはいかなかった。

しっているとすれば、家族と数名の男友だち。

だとしても、こうして鈴音も自分を捜しだしているのだ。

「だれだ??」

悠もモニターを覗き込む。

見たことがない女。

「知り合いじゃないの?」

「うん、わかんねぇ。間違えてんじゃないの?いいよ、シカトで」

暫くして、その女は去っていった。

全く記憶にない女。

「間違えてんのかもね」

鈴音も納得した顔をしている。

「そうじゃない。マジでしらないもん」

2人は、冷蔵庫にあるもので夕飯を済ます。

「送ってくよ」

ロビーのソファーに、先ほど間違えてインターホンを押した女が座っていた。

「まだあの人いるんだね?」

「そうだね。かわいそうだから言ってあげたら?」

鈴音が悠の腕をひっぱる。

悠は無視している、つもりだったがあまりに鈴音がいうものだから

「あの、さっきインターホン間違えますよ」

「え?」

「どこと間違えてるかわかんないですが、オタクが押してたのうちだから。じゃあ」

「大丈夫?悠?」

「いこ。間違えてんだろ」

そう言って、悠は鈴音とタクシーに乗り込みその場を去った。

悠を送り、1時間後。22時になっていた。

缶ビールを飲みながら、帰宅する悠。