そして、転校先の入学式のあとは今に至る。
以前に通っていた有名私立高校とは打って変わり、公立の平凡な高校。

チヤホヤされて、なんでも許されてきた悠には反対の環境。

初日に担任から言われたのは

『いままでとちがうからな』

その眼差しは明らかに、悠を牽制しており、なにか汚いものを見るような目をしていた。

クラスメイトからも距離を置かれ、普通ならば耐えられない状況ではあったが、正直、悠はのんびりとかまえていて、これで良かったと思っていた。

高校時代の1歳は大きい。

悠の過ごしてきた日々を最初から。

楽しい事も、悔しいことも、馬鹿馬鹿しいこともやっているクラスメイトとは話は全くあわなかった。

それだけではなく、公立というだけで雰囲気がまるで違う。

話が合うわけもなく。

入学式から悠が会話したのは、一言、二言目。

そんなものだから、入学式依頼、登校もせずに相変わらず遊び呆けていた。

それを知ってか知らずか、弟が電話をかけてくる始末。

いよいよ父親まで介入してきそうな雰囲気だ。

明日からいってみよう。