あぁ、かったるい。
昨日は飲みすぎた。

頭が重たく、気持ちが悪い。

自分からでる、酒の匂いにまた、気持ち悪さが倍増する。

シャワーを浴びる。

ウォーターサーバーから、冷たい水を汲むと、ごくごくと飲み干した。

「っああーー。だるっ…」

浅田 悠。18歳。

携帯のバイブがなる。

『昨日はありがと。たのしかったよ!また誘ってね』

誰だよ?

悠は記憶を遡るが全く、浮かんでこない。

ここ、毎日、同級生の入学式の飲み会に参加しており交友関係が乱れていて、だれが誰だかわからないでいた。

「誰だか、わかんねぇーわ。ったく」

その後も、何通もラインやらメールやら来るので、悠は携帯の電源を落とした。

周りはこの春に大学入学や、社会人となったのだが、悠の場合、訳があってもう一度高校3年生をやり直している。

それなりの理由でそうなっているわけがあった。

そもそもは実家に居たが、転校と共に通学が困難になり春から一人暮らしをしている。

とはいっても、車もバイクも運転出来る悠にはどこに住んでいようがかまわないのだが、さすがに高校の通学にそれをつかうわけにはいかず、電車で通える範囲に引っ越した。

入学式依頼、登校もせずにこうして、昔の仲間と飲み明かしているのだ。

怠惰な毎日をおくり、そろそろ学校へも行かないと父親から小言の一つでも飛んで来そうなので明日は登校しようと考えてはいた。

真新しい制服をながめる。

また、高3かぃ。

そんな折、家の電話がなった。

この番号を知っているのは、父親か双子の弟の涼くらいしかおもいあたらず。

「なに?」

『あぁ、僕だけど。携帯つなんがないからかけてみた』

やはり、弟の涼だ。

涼はこの春から、大学に進学していた。

「なんだよ?どーした?」

『用はないけど。学校、いってないんだろ?』

「ん?んん。明日から行く予定だからな。お前は?」

『僕は別にかわらないよ』

「ふーん。まっ、がんばれよ。」

『うん。あのさ』

「なにぃ?」

『兄貴も学校行ってくれよ…』

涼の含みのある言い方に、悠は少し考えて返事をした。

わかったよ。

じゃあな。

悠は先に電話を切った。

そして、電話の線を抜いた。

お前は親か??

悠は、また制服の準備を始めた。