破壊と理性の狭間で

警戒して構えていると扉の向こうから話しかけてきた

「おい、番号SP-015の白水髀呼はいるか?」

淡々と感情なんて一切ない口調で言う
こんな口調はきっと普通の人だったら不快感を与えるだろう
でも慣れてしまえばどうとも思わない普通の口調になってしまう
声が聞こえた瞬間から部屋全体に緊迫感が漂う
だが番号を淡々と言われてまるで商品みたいに言われた方が口調よりも頭にきた
髀呼は苛立ち(いらだち)を我慢しながら
強い口調で言い返す

『いるけど?』

「校長室に直ちに来るようにと伝言だ」

それだけ言うと廊下を歩いていく音だけが聞こえた
あちらの方がよっぽど人形じゃないかとつくづく思った
まるで言われたことをそのまま何も感じず実行する
ロボット・・・いや操り人形だった