「昨日からシイ変…シイらしくないよ」


どうしよう…

穂美には言いたい。
でも穂美に涙を見せたくないという気持が、変なプライドが邪魔をする。

そんなだから徹に嫌われるんだ…

ごめん…穂美……!!


そう思いながら俯いた時だった。





「私だけ…私だけが私達親友だと思ってたの……?」



震える穂美の声に驚いて私は顔を上げた。


穂美は声と同じように肩を小刻みに震わせている。

穂美の長いコーヒーブラウンの髪で顔は見えないけど、泣いていることは一瞬でわかった。


「違うよ穂美!そんなことな…」

「私は!!…シイが辛かったら私も辛いんだよ……?大好きなシイには正直隠し事なんてしてほしくない…頼って欲しいの……!」



ぽろり…

またぽろりと私の目から涙が溢れた。

穂美は私のことをすっごく思ってくれて、泣いて、私を助けてくれようとしてる。


私のプライドなんてごみくず以下だ。

穂美は…穂美だけは失いたくない…!!


「穂美ごめん」

「………っ?」


穂美がゆっくりと顔を上げる。