「あっ直ナオだぁ!!」 サッカー部に群がっている女子たちから、黄色い歓声が上がった。 「…直?」 「あぁ…3組の」 サッカー部のエースってやつ。 へぇ、あの人まだサッカーしてたんだ。 「すごい人気だね、佐倉直サクラナオ。相変わらず」 「うん、背が高いからかな?」 「深空~身長に食いつかない!」 「あははっ、じゃああたし、朝練行ってくるね♪」 サッカー部には脇目もくれず、あたしたちは手を振りあった。