AZZURRI~AZZURRO番外編~

ポールの目に映ったのは
6人の賊と4匹の猟犬だった

賊の手には弓と剣が握られ
猟犬はこちらに向かって駆けてくる


ちっ…犬を連れているのか
人間だけならんとかなっても犬は面倒だし分が悪い

ポールは自分の両腕の中にいる存在を改めて確認する


この方だけは何としても…
クリス様の元へ無事に返さなければ


「ユキノ様。このまま真っすぐクリス様のところへ
宮へお帰りください。」


「え?でも、ポールさんは?」


「私はアイツらを食い止めます。
そのすきに逃げてください。
サクラ(雪乃の愛馬)の足なら犬に追いつかれる事も無い。」

「そんな!それじゃあポールさんが!!」

自分を犠牲にしてまで助けてもらうなんてできない

雪乃の漆黒の瞳はそう訴えるが
ポールはそれを笑顔でいなした

「私は軍人。あなたを守るための兵士です。
あなたを守れなければ存在する意味が無い。」


「でも…。」

それでもしぶる雪乃


そんな雪乃を

ポールはギュッとその腕で抱きしめた


それはほんの一瞬


ほんの一瞬
ポールがただの男に戻った瞬間だった