「チャンピオンとは言ってないかな」


空になったお皿とフォークを下げに
立ち上がった桐葉きゅんは、
首を傾げてまたもや笑った……。




「はむっ」


夢中でパイを食べる流騎弥君に
視線を移す。



これまた、あなた、エンジェルですか?


エンジェルにスカウトしようか!
へい!エンジェルぼーや!


そしてお隣の桜音さんは…。


「…………」



少しむっとしてママに視線を
送っている。





え…………?


「へ………?」



ま、ま、ま、ま、まさか!
まさか桜音さん、うちのママにほの字?

ちまたで有名な、若い男女にみられる誰にでも湧き上がる甘く切ない…
ほの字なのか!?


ら、らぶなのかい!?


お前さん、惚れてるのかい!?



「ぬぬぬ!?」


よく見ると、桜音の視線の先は
ママではなく…ママが!
お皿に乗せようとしている、
チーズケーキ……。








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