「……………」



いつの間にか寝ていた。


夜だから暗くて、三人とも
俺が起きたことに気づかずに
はなしていた。





「父さん、せっかく遊園地の
チケット買ってたのにいいの?」



「そりゃぁ、柚子が野球がいいっ
てんだから仕方がねぇだろ?」



「そうだけど!遊園地のパフェの
店で特大の作ってもらうように
注文したって嬉しそうに
言ってたじゃん!」



「遊園地の人に悪い事したなぁ…
まぁ、いっか!」


「今日、お仕事お休みとってくれて
ありがとね、あなた」



「当たり前だろ!
祝ってやりてぇし!」



「柚子ももう、13歳ねぇ」



「そーだなぁ」






………なんだよ、そうだったのか。


日曜日もほとんど仕事の親父が
運良く俺の誕生日に休みって
変じゃねぇか………。


わざわざ休んでくれてたのか…、
休みだって言ったくせに。