「ナイターか!いいな、行くか!」


親父は乗り気になってくれた。


「でも父さん………」



結乃がめずらしく歯切れ悪く、
ミラーごしに親父をみる。



「柚子の誕生日じゃねぇか、
柚子の行きてぇとこに行こうぜ?」



「そうね、結乃…ねっ?」



助手席の母さんが結乃に
言い聞かせ、



「よっしゃ!」



野球観戦に変更になり、
途中で車の向きを変えた。




テンションが上がり、
窓の外を見る。



もうすっかり暗くなり
街灯が綺麗に見える。





その景色から目が離せずに
見つめていた。