「家族で遊園地…」


呉たちと行ったら楽しいだろうけど
家族かよ…。



ありえねぇ……でもめずらしく
大工の仕事が休みな親父が
行きたがってるし。




「しょうがねぅな…」



うしろ髪をガシガシして
ベッドから下りる。



緩みそうな頬をばれないように
隠しながら…。









[今日のプロ野球の当日券、
売り残ってるらしいぜ!]



野球好きの奴から車に乗る
前にメールが届いた。



「まじ!?」



思わず興奮して叫んでしまった。



「なぁなぁ!野球のチケット売り
残ってんだって!行こうぜ!」



親父と俺は野球ファンだけど
母さんと結乃はまったく
興味ないらしい。



案の定、2人は口を尖らせて
ブーイング。



「行きてぇー!」


親父なら分かってくれる、
そう願って親父をみる。