しかし問題だったのは、彼女の連絡先を聞けなかったことだ。川西さんは誰に対しても連絡先を教えようとしなかった。川西さんとしては僕の連絡先は知りたいはずだが、他の人の手前、僕とだけ交換するわけにもいかないだろう。それを考えて僕もあえて聞くことはしなかったが、あとで後悔した。


だがすぐに納得した。


彼女にしてみれば特に問題はないはずだ。僕は彼女の友人だという今井さんとはアドレスと番号を交換していた。つまり、今井さんから僕の連絡先は知ることができる。川西さんとしては、これも計算していたのかもしれない。