うさぎが景時の部屋に拉致されてきて初めて、薫が夕飯を食べに来なかった。

と言っても、ベランダ越しに料理の受け渡しが行われたワケだが。

たぶん…いや、間違いなく気を遣ってくれたのだ。

愛してるよ、薫ちゃん。
おまえの気持ちは無駄にはしない…

てなワケで景時は、夕食の片付けが終わって、いつものようにロッキングチェアに向かううさぎを捕獲した。

向かい合わせになるようにうさぎを膝の上に乗せ、白いソファーに腰掛ける。

なぜか未だに薬師、薬師と繰り返すうさぎに、景時は今まで溜めていた思いの丈を打ち明けた。