「ありがと。 …ねぇ。」 ドアに手をかけた景時が振り向いた。 「うさぎの名前… 『紅玉』っていうの?」 「そうだ。 美しい名だろう。」 「赤い瞳で『紅玉』? でもってアンタは、黒い瞳で『黒曜』?」 「そうだ。」 「… ふぅん…」 景時は少し乱暴にドアを開け、ハマーから飛び降りた。 「気に入らねっ!」 「なに?」 「『紅玉』じゃねぇよ。 今は、うさぎだ。」