「…っ
かげ‥‥‥痛‥‥‥」
か細い苦しげな喘ぎ声。
陰惨な…だが甘美な夢を打ち砕くに充分な衝撃。
(え…
俺、ナニやって…)
腕の力を緩めた景時の目に映ったもの。
白い肌に毒々しい赤い花を咲かせた、肩で息をする愛しい人…
「あ‥‥‥
ゴメ…」
景時の視線に気づいたうさぎが、手で痛々しい首を隠す。
「気にするな。
直ぐに治る。
景時、いったいどうした?」
うさぎがもう片方の手を伸ばし、景時の頬に触れた。
(なんで俺の心配なんか…)
気遣うような瞳の色に耐えきれず、景時は俯き、長めの前髪で顔を隠した。
「ゴメン、うさぎ。
頭冷やすわ。」
立ち上がり、背を向ける。
景時はうさぎの視線を痛いほど感じながら、寝室のドアを閉めた。



