景時は左耳に赤く光るピアスに触れて、ヘラっと笑った。
「コレ、お揃いっつーか…
対なンだよねー。」
「あぁん??!!」
黒曜が眉を険しく顰める。
だが景時は、ヒヒヒと白い歯を見せた。
「うさちゃんがくれた。
羨ましい?」
「おまえ‥‥‥
ほんと、イイ度胸してる。
喰われたいのか?」
また溜め息を吐きながら、黒曜がハンドルを切る。
ここを曲がれば、慈愛学園の校門だ。
拾った場所まで届けてくれるらしい。
律儀なヤツ。
男同士の寒いドライブも、もう終わる。
「その度胸に免じて、紅玉はしばらくおまえに預ける。
たまに会いに来るがな。」
「えー?
ソレはヤだなー。」
「知るかよ。」
ククっと笑いながら、黒曜がブレーキを踏んだ。



