景時だけならまだしも、彼女までこんな…

なんか、いたたまれない。
なんか、カワイソー。

てか、その顔やめて。


「あー…
その前に俺が話してみるわ。
うさぎサマ、昨日アイツと約束してたろ?
行って来いよ。」


「だが…」


「大丈夫だから。
ほら、お迎え来てンぞ?」


薫が親指で窓の外を指した。

校門の前には、目立つハマーが横付けされている。


「…」


うさぎは厚みのある下唇を軽く噛んで、俯いた。


「ほんと。大丈夫。
な?」


「‥‥‥‥‥本当か?」


(だーかーらー。
やめろ、ンな顔。)


上目遣いで眉をハの字にするうさぎの頭を、苦笑いを浮かべた薫が大きな手で撫でた。

景時が見てたら、殺されそう。

でも、たまんねーよな、こんな顔されちゃ。