景時は閉じていた瞼を開いた。

そして気づく。

さっきまで月だと思って見ていた物は、丸い水銀灯…


「ごめん、深雪さん。
やめとくわ。」


『‥‥‥どーして?
私、もう魅力ない?』


「いやいや。
深雪さんはいつもキレイだよ。」


景時は笑った。
自分が可笑しかった。


「そーじゃなくて…
俺がダメになったみたい。
なんかもー、うさぎじゃないと反応しねーの、俺。
心も、躰も。」


『うさぎって…
昨日のコ?』


「そう。」


そう。

うさぎがイイ。
うさぎじゃなきゃダメ。
うさぎしか欲しくない。

わかんないコトだらけだと思ってたケド、あるじゃん、わかるコト。

心が、躰が、全俺が訴える。

うさぎが好き。