赤い月 肆


「…」


「でも私がうさぎちゃんを止めることが出来たとしても、うさぎちゃんと高杉くんとあの黒曜って男の人の問題は、解決しないでショ?
だから、高杉くんが決断するまで待つ。
高杉くんがナニも言わないって決めたら、私が言うから。」


小鞠の瞳は、街の明かりを映してキラキラしている。

いや、キラキラしているのは、彼女自身かもしれない。


(このコ、こんなにキレーだったっけか。)


迷いのない、真摯な瞳。
まるで誰かサンみたい。

今の俺は、こんなに真っ直ぐに誰かを…うさぎを見られるだろうか?