ますます眉間の皺を深くする深雪の頭に、景時は軽く手を置いた。
「こんなカッコイー景時くんが片思いとか、あり得なーい☆ってカンジ?」
「…」
「ハハ。
んなワケねーか。
ごめんね? 深雪さん。
俺、行くわ。」
「どうして?
あのコも言ってたじゃない。
もう少し話そ?」
深雪が強めに腕を引く。
景時は苦笑しながら腕に絡む彼女の手を握り、そっと下に降ろさせた。
「俺、うさぎと離れてたくねぇンだ。
永遠の片思いでも、傍にいたいの。
だから、行くわ。
またね? 深雪さん。」
景時はもう一度深雪の頭に手を置いてから、彼女に背を向けた。
行かなくちゃ。
うさぎの元へ。
胸が張り裂けそうでも。



