ナゼか赤くなった顔を歪めて叫び出した黒曜が、驚くうさぎを抱き上げた。
「もうっっ! わかったから!
俺も一緒に行くからっ!
そんな顔で見ンなって!!」
「え?
良いのか?」
「別に?
アイツが嫌いなワケじゃナイし?
俺はおまえが心配なダケだし?
俺が一緒に行きゃ、問題解決だろーがよ。
そーだろ、俺?!
コレでイインだろ?!俺??!!」
…
誰に何を問いかけて、誰に何を納得させてンの?
喜びに輝くうさぎの顔を、真っ赤な、だが複雑な表情で見る黒曜に、薫は同情した。
『そんな顔で見ンな』の『そんな顔』、たぶん見たコトある。
アレやられちゃ、たまんねーわな。
そりゃ、誰だって勝てねーわ。
「いっつもあんなん。
黒曜、カワイソすぎて笑えるやろ。」
ニヒヒ、と笑いながら、白蛇が薫に耳打ちする。
男の立場としては全くもって笑えないが、景時救出に向かってもらえそうなので、まぁ…
良しとしよう。



