コレ…
ヤバいンじゃない?
景時は放置されたまま、うさぎをお持ち帰りされちゃうンじゃない?
(とりあえず俺だけでも、あのバカ助けに行かなきゃ。)
なんか、人間じゃ敵わないらしいケド。
運良く生き残れたら、うさぎのコトは後で考えればいい。
薫は覚悟を決めて、身体を押さえつける白蛇をチラリと見た。
だが、白蛇はまだニヤニヤ笑っていた。
どけ、と目で合図する薫の視線に気づき、桜色の唇が声もなく動く。
『ここから』と…
ここから?
どーなるっての?
もう時間ねーンだケド?!
焦る薫が白蛇の下でモゾモゾ動きだそうとした時、黒曜の腕の中のうさぎも同じくモゾモゾしていた。



