「おまえの気配は急に感じられなくなるわ、代わりに白の気が現れるわ…
心配で見に来たンじゃねーか。」
「ぁぅ…
それは、すまなかった…
だが、もう平気」
「どうせあのバカがヘタ打って、おまえが呪を食らったンじゃねーのか。」
「そ… そういう訳では…」
「おまえの言うコトも聞かねぇで、苦しむおまえを放りだして、勝手に殺されに行ったンじゃねーのか。」
「それは…
妾の呪を解こうと…」
「気持ちはわかるが、結果死んでちゃ話になんねーよ。
もう人間には関わるな。
おまえが傷つくだけだ。
俺と帰ろう。」
「…」
(全くおもしろくないンデスケド?)
薫は口を塞がれたまま、ハラハラしながらコトの成り行きを見守っていた。
顔を伏せて黙り込んでしまったうさぎ。
うさぎの耳に口を寄せ、一緒に帰ろう、俺と帰ろう、と囁き続ける黒曜。
見てたんじゃねーかと疑いたくなるくらい、黒曜の言うコトは的を得ているし、いちいちご尤もだ。



