赤い月 肆


「すまぬな、白。
酒は今度ゆっくり付き合おう。
薫は連れてゆかぬ。
ここで待っておれ。」


「えー…」


「なんでだよ?!」


白蛇と薫が揃って不満の声を上げるが、ベクトルは全く別。


「そなた、感染しておったであろう?
まだ体力が戻っておらぬ筈じゃ。」


今度は、白蛇の言葉が完全に無視された。

うさぎは胡座をかく薫の正面に膝を落とし、両手で彼の手を包み込んだ。


「本当に苦労をかけた。
景時は妾に任せて、そなたはゆっくり休んでおるが良い。」


「休むのはおまえだ、紅玉。」


不機嫌そのものの声と共に、うさぎは薫の前から消えた。

薫が視線を上げると、背中からうさぎを抱いた黒曜が、顰めっ面でコチラを睨んでいて…


(え?
コレ、景時?)


だって、こーゆーのよく見るよ?

アイツ、よくやってるよ?

行動パターン丸カブりじゃん。