(良かった‥‥‥)
薫は気が抜けたように、板張りの本堂に仰向けに寝転がった。
これで後は…
うさぎが帯を締め直しながら、少し硬い声で薫に問う。
「景時は見つかったのか?」
そうだ。
次はあのバカだ。
「まだだ。
この辺りで見失ったらしい。」
飛び起きた薫は、携帯をうさぎに見せた。
液晶画面には、秋時から送られてきた位置情報が表示されている。
「…わかった。
妾はゆく。」
「俺も一緒に」
「えー? もう行くのん?
一杯くらい付き合うてやー。」
薫の言葉を完全に無視した白蛇が、着物の乱れを直し終わったうさぎに抱きついた。
ちっちゃいなー、可愛いなー、と繰り返しながら、うさぎの額や頬に口づけの雨を降らせる。
幼児を溺愛する母親デスカ。



