懇切丁寧なご説明、どーもアリガトウ。

おかげで敵がハッキリしたわ。

景時は唇の端を歪めて、苦く笑った。

術者は鏡。

うさぎの呪を解くには、この鏡を壊せばいい。

なんだかよくわからないが、神になったとかほざく、この喋る鏡を。

でも…
どーやって?

いつもと相手が違うので、いまいち勝手がわからない。

景時は、グッタリとした深雪をそっと床に寝かせた。


(まずは、フツーにやってみっか?)


無言でウォールミラーの前に立ち、中に映る深雪の姿に向かってバジュラを振り上げた。

ガギィィィィィ…ン

金属に当たったような感触と音と共に、叩きつけたバジュラが弾かれる。


「キャハハハハハっ!
バカじゃない?!
そんなモノで、私が壊れるワケないじゃない!」


鏡の中の深雪が、顔を歪めて嘲笑した。

景時が見たことのない、深雪の表情。