赤い月 肆


薫は小さく呟いた。


「‥‥‥フジコちゃん?」


「はぁ?
ダレや、ソレ。」


不満そうに下唇を突き出したフジコちゃん(偽)は、豊かな腰に手を当てた。


「アンタが呼んだん?
ウチ、人間キライやねんケド?
嘘つきやからな!」




いや、なんとでも言って。
バカでも嘘つきでも。

そんなコトより‥‥‥

薫は地に膝を着いて、意識のないうさぎを抱き上げた。


「なぁ、頼むよ。
この人、助けてくれよ。」


「‥‥‥姫やん。
じゃあ、アンタが景時?」


「へ?」


見開いた目の色をクルクル変えるフジコ(偽)の言葉に、薫は驚いた。


「俺は薫だケド…
なんで知ってンだ?」