強く扉を叩くと、薫が顔を出す。


「景時?
‥‥‥‥‥オメェ…」


「薫、うさぎを頼む。」


赤い前髪の隙間から覗く景時の目に、薫は戦慄した。

動くこともできないまま、走り去る背中を見送って…


─そなただけは
 最後まで信じてやるが良い─