「おー、今日も早かったな。
‥‥‥チっ」


「…
舌打ちが丸聞こえだケド?」


「…
聞かせてンだよ。」


なんか…
この会話もお馴染みになってきた。

うさぎを迎えに来た景時と、玄関扉を開けた黒曜は、黒い笑みを浮かべて睨み合った。

黒曜は都心付近の、高層マンションの最上階に住んでいる。

広い。
キレイ。
そして、黒い。

景時の白い部屋とは対照的に、モノトーンで統一されている。

調度品や家具は、どれもモダンで高そーで…

まじで金持ちだったンデスネ。

‥‥‥気に入らねっっ!


「うさちゃーん、帰るよー。
今すぐ帰るよー。」


景時は、まだ部屋の中で支度をしている様子のうさぎを急かした。

隣に立つ黒曜も、負けじと声を上げる。


「紅玉ー、本当に帰るのかー?
俺なら、昔の女トラブルに巻き込んだりしねぇゾー。
…全部始末して回るからな。」