昼休みの屋上でも、少し距離がある。

今までは隙あらば…いや、隙がなくても、うさぎを腕の中に閉じ込めていたのに…

なんか… ムリ。
ギュってできない。
ナニしでかすかわかんねぇ自分が怖い。

このままじゃ、まじでうさぎ欠乏症で死ぬわ、俺。

空はこんなに青いのに。
陽光はこんなに暖かいのに。
死──ぬ──わ──!!


「ねぇ、うさぎちゃん。
今日の放課後、暇?」


「なんか用事あるー?」


祥子と小鞠が、イチゴ牛乳を手にしたうさぎに問いかけているのが聞こえる。


(暇じゃねーよ。
アイツが来ンだよ。)


死体のように薫にもたれかかりながら、景時は心の中で毒づいた。

だがうさぎの返事が気になるので、耳は思いっきりダンボ状態。