「後、もう一つ。
俺が最後に見たのは、人鬼だったでショ?
三体共、そーだった?」
「そうじゃ。」
うさぎの答えを聞いて、秋時がネクタイを締め直しながら立ち上がった。
「名前、住所、電話番号…
その女に関するわかってるコトを、全部まとめて報告しろ。
調査する。
身辺に行方不明者が三人以上見つかったら、ビンゴだ。
…
覚悟はできてるか?」
「え…?」
小さな声を上げたうさぎを視界の端に捉えながら、景時は無言で頷いた。
「よし。
うさちゃんから目を離すな。」
景時の肩を強く叩いた後、秋時が部屋を出ていく。
学園に戻るのだろう。
オニの侵入経路や痕跡の捜索から、誰かが施したかもしれないオニを呼び出すような術やその媒介の捜索に切り換える指示を、僧たちに出すために。



